OBS Studioでゲーム音とマイク音を分けるには、「別々の音声ソースとして取り込む設定」と「録画ファイルの別トラックへ保存する設定」の両方が必要です。配信に聞こえる音まで分離してしまわないよう、まず目的を整理しましょう。
音声ソースと音声トラックの違い
| 項目 | 役割 | 設定する場所 |
|---|---|---|
| 音声ソース | ゲーム、マイク、通話などを別々に取り込む | ソース・音声ミキサー |
| 音声トラック | 取り込んだ音を録画ファイル内で分ける | オーディオの詳細プロパティ・出力設定 |
ゲーム音とマイク音が最初から1つの音声としてOBSへ届いていると、後から別トラックには分けられません。先に音声ミキサー上で「ゲーム」「マイク」が別々に表示される状態を作ります。
目的別のおすすめ構成
| 目的 | おすすめ設定 |
|---|---|
| ライブ配信だけ | ゲームとマイクを別ソースにし、両方を配信用トラックへ送る |
| 録画後に音量調整する | 配信用の混合トラックに加え、ゲームとマイクを個別トラックへ保存 |
| 通話やBGMも編集する | アプリごとに取り込み、必要な音だけ個別トラックへ保存 |
通常の配信では、視聴者へ送る音声は1つの完成したミックスです。録画編集のために分ける場合も、トラック1には視聴者へ聞かせる全音声をまとめておくと確認しやすくなります。
Windowsでゲーム音を別ソースにする
Windows 10 バージョン2004以降とWindows 11では、OBS Studio 28以降のアプリケーション音声キャプチャを利用できます。また、OBS Studio 30.1以降は、ゲームキャプチャやウィンドウキャプチャの「音声をキャプチャ」機能も利用できます。
方法1:ゲームキャプチャに音声を含める
- ソース欄でゲームキャプチャを開く
- 対象のゲームを選ぶ
- 「音声をキャプチャ」にチェックを入れる
- 音声ミキサーへゲーム音が追加されたことを確認する
映像と音声を同じゲームキャプチャで管理できるため、対応するゲームでは分かりやすい方法です。
方法2:アプリケーション音声キャプチャを追加する
- ソース欄の「+」を押す
- 「アプリケーション音声キャプチャ」を選ぶ
- 分かりやすい名前を付ける
- 音を取り込みたいゲームのウィンドウを選ぶ
- 音声ミキサーのメーターを確認する
ウィンドウ名が頻繁に変わるアプリは、実行ファイル名を優先して一致させると再認識しやすくなります。
デスクトップ音声との二重取り込みを防ぐ
アプリケーション音声キャプチャでゲーム音を取り込む場合は、「設定」→「音声」のデスクトップ音声を無効にします。同じゲーム音がアプリケーション音声とデスクトップ音声の両方へ入ると、二重音声やエコーのような聞こえ方になります。
macOSでゲーム音を別ソースにする
macOS 13 Ventura以降とOBS Studio 30以降では、「macOS音声キャプチャ」を使って、デスクトップ全体または特定アプリの音声を取り込めます。「macOS画面キャプチャ」も、対応環境では画面と音声を取り込めます。
古いmacOSでは、デスクトップ音声の取り込みに仮想オーディオデバイスなど追加の構成が必要です。OSとOBSのバージョンによって方法が異なるため、OBS公式のmacOS Desktop Audio Capture Guideを確認してください。
マイクを別ソースとして追加する
- ソース欄の「+」から「音声入力キャプチャ」を選ぶ
- 使用するマイクまたはオーディオインターフェイスを選ぶ
- 音声ミキサーへ「マイク」と「ゲーム」が別々に表示されることを確認する
同じマイクを「設定→音声」のマイク音声と、音声入力キャプチャの両方へ登録しないようにします。どちらか一方に統一してください。
録画用にゲーム音とマイクを別トラックへ分ける
1.出力モードを詳細にする
「設定」→「出力」で出力モードを「詳細」にし、「録画」タブで使用する音声トラックを有効にします。例としてトラック1〜3を使います。
2.各ソースをトラックへ割り当てる
音声ミキサーのメニューから「オーディオの詳細プロパティ」を開き、次のようにチェックします。
| 音声ソース | トラック1 | トラック2 | トラック3 |
|---|---|---|---|
| ゲーム音 | オン | オン | オフ |
| マイク | オン | オフ | オン |
- トラック1:ゲーム音とマイクを合わせた配信・確認用
- トラック2:ゲーム音だけ
- トラック3:マイクだけ
配信に使うトラックからマイクやゲーム音を外すと、録画の個別トラックには入っていても視聴者には聞こえません。配信トラックには必要な音をすべて入れます。
3.録画形式を確認する
複数音声トラックに対応する録画形式を選びます。OBS公式は、録画中の異常終了でもファイルが壊れにくいMKVを推奨しており、録画後にOBSの「録画の再多重化」でMP4へ変換できます。
録画を再生すると1つの音しか聞こえない理由
一般的な動画プレーヤーは、複数の音声トラックを同時には再生しません。そのため、マイクやゲーム音が消えたように感じる場合があります。
トラック1へ全音声を入れておけば、通常の再生では完成した音を確認できます。動画編集ソフトへ読み込むと、トラック2のゲーム音とトラック3のマイクを別々に編集できます。
よくある失敗
- ゲーム音が二重になる:デスクトップ音声とアプリ音声の重複を確認
- 配信でマイクが聞こえない:配信用トラックにマイクが割り当てられているか確認
- 録画で片方しか聞こえない:プレーヤーの再生トラックとトラック1の割り当てを確認
- 特定ゲームだけ音が出ない:ゲームキャプチャの音声、アプリ音声キャプチャ、出力先を確認
- 自分の声が二重に聞こえる:OBSのモニタリングと機器のダイレクトモニターを確認
配信前の確認手順
- ゲームとマイクのメーターが別々に動くことを確認する
- 1分程度のテスト録画を行う
- 通常のプレーヤーでトラック1を確認する
- 編集ソフトでゲーム音とマイクが別トラックになっているか確認する
- 限定公開などで配信側にも両方の音が届くか確認する
まとめ
ゲーム音とマイク音を分けるには、まず別々の音声ソースとして取り込み、次に録画用トラックへ割り当てます。トラック1には配信・確認用の全音声、トラック2以降には編集用の個別音声を入れると、配信で音を失わず後から調整できます。




