自宅でナレーションを録音する仕事は、YouTubeやネット広告のナレーション、企業案件などインターネットの利用が広がってきて案件が増えてきました。クオリティーやコスト、納期の関係でスタジオで録音する必要がない案件が増えたことも、要因だと思います。
また、スタジオで使う機材が手に入りやすくなりクオリティー面でも自宅録音(宅録)でやることができるようになったのも案件が増えた要因でしょう。
毎日追加されるYouTubeのナレーションやオーディオブックなどの仕事をやってきた経験から、自宅で声を録音する方法を紹介していたいと思います。
自宅でナレーションや歌を歌ったりして録音したい方に、録音する準備から紹介します。
高音質な録音に必要な道具
録音するために必要な道具(機材)を紹介します。最近は、音質面でクリアーな音質、ノイズ除去などを必要とする案件が多いのでスマホで録音できる仕事は少なくなってきたので、スマホでの録音方法は紹介しません。また、Chromebookもスマホと同じなので紹介しません。
お仕事として対応できるものや、CDや配信などにたえられるクオリティーを目標に録音方法を紹介します。
高音質な録音に必要な道具とは?
- パソコン
- 録音ソフト
- マイク
- オーディオインターフェイス
- モニター環境
- ノイズ対策
以上の機器などが必要です。
パソコン
録音するためにパソコンを使いますが、WindowsでもMacのどちらでも大丈夫です。ただし、OSは最新にアップデートしておきましょう。
なぜ、OSが最新のものが良いかと言うと後で紹介する録音ソフトやノイズを除去するソフトが古いOSだと対応しないことがあるからです。
パソコン自体が最近の必要はありませんが、ソフトの対応で今から録音環境を作るなら最近のOSが使えるパソコンが無難です。
パソコンのスペックは特にありませんが、動作があまりにも遅いパソコンだと録音中にデータの保存が間に合わず止まる可能性があるので、立ち上がりや動作があまり遅くないパソコンを準備しましょう。
録音ソフト
録音ソフトは、DAW(Digital Audio Workstation)といって、パソコンで録音から編集、ミキシングなど必要な作業が一連でできるソフト使うのをおすすめします。安いものは1万円くらいから販売しています。
録音ソフトをフリー(無料)ソフトですることはできますが、編集などの作業を別のソフトで行うとデータを都度保存しながら作業することになるので、データの管理が面倒ですし、フリーソフトで音質が良いと思うものと出会ったことがありません。
フリーのDAWもありますが、有料のDAWの方が操作方法などを調べたり勉強するときは書籍やネットで検索すると見つかりやすいメリットがあります。ですから、録音ソフトはDAWを使いましょう。
主なDAWは
- ProTools
- Cubase
- Studio One
- Ableton Live
- Logic Pro X(Mac専用)
上記の主なDAWは、ノイズを除去ソフトが対応しているで失敗することはないでしょう。
マイク
マイクは、カラオケでよく見かけるタイプのダイナミックマイクとレコーディング現場などで見かけるコンデンサーマイクの2種類がナレーションや歌を録音するときによく使われます。
ダイナミックマイクは、頑丈なので初心者が始めて買うマイクとしておすすめです。ダイナミックマイクでマイクを使うのに慣れてきたら、コンデンサーマイクに買い替えを検討してもいいでしょう。
しかし、コンデンサーマイクはダイナミックマイクに比べてデリケートなマイクなので湿度や衝撃に弱いマイクです。そして、マイクの保管にはデシケーターという湿度を一定に保ってくるれる保管箱か、乾燥剤を入れたタッパなどに入れて湿気に注意して保管しましょう。
それと、コンデンサーマイクを使うときはポップガードを使うようにしましょう。ポップガードは、プロのレコーディング風景などでマイクの前に黒い金魚すくいのポイのような形をしているものです。
口の前に手のひらを置いて「ぱぴぷぺぽ」と声を出してみてください。口から出た息が手のひらに当たるのを感じると思います。それが、ポップと言われていて、声を出すときに出てる風です。このポップがコンデンサーマイクに当たると、ボソボソとした音を拾うのでノイズになるので、コンデンサーマイクを使うときはポップ対策としてポップガードを設置しているのです。
ダイナミックでは、グリル(丸い編みになった部分)にスポンジがあるので、スポンジが簡易的なポップガードの役割をしていますが、ちゃんとポップガードを設置してもいいでしょう。
オーディオインターフェイス
マイクでとった声や、パソコンの音声データを変換してくれる機器です。USBで接続できるタイプで、WindowsとMacの両方で使えるものを選んでおくと、パソコン選びが自由にできるので失敗しなくていいしょう。
それと、Windowsで使うならメーカーからドライバーが提供されているものを選びましょう。
Windowsでは、ASIOと呼ばれるドライバーがあり、できるだけ音に遅延がないようにして、音質を保ってくれるものがあります。Windows標準のドライバーでは、もともと音質などに考慮された設計ではないため音質か劣化してしまいます。
Macでは、CoreAudioという標準のドライバーで問題ないので、何も気にする必要はありません。
こちらでは、オーディオインターフェイスを選ぶ基準や、おすすめのオーディオインターフェイスを予算別で紹介しています。
マイクプリアンプ
マイクの音量を大きくする機器で、マイクとオーディオインターフェイスの間に接続します。
マイクプリアンプは、マイクプリなどと略されて呼ばれることもありますが、マイクの音量を大きくするだけでなく、音質が変わります。
オーディオインターフェイスのゲインでマイクの音量を大きくすると、素直に音量が大きくなりますが、マイクプリアンプでは、ゲインを上げると存在感のある音に変わったり、EQ(イコライザー)が搭載されいるタイプでは、音質を調整できます。
ナレーションやアフレコを収録するなら、MACKIE 402VLZ4 は、おすすめです。
ミキサーですが、プリアンプの部分が良いのでゲインを上げて音量を調整すると存在感の声になります。
歌などを収録するなら、Golden Age Project PRE-73 mk3 は、おすすめです。
ビンテージタイプのプリアンプをモデルに作られた機器で、そのまま使っても良い音ですが、パーツを変えること一層音質が良くなります。
こちらもゲインで音質を決まるので、オーディオインターフェイス直接とは違う音質を確認できます。
モニター環境(スピーカー、ヘッドホンなど)
収録した声を確認するのに、スピーカーやヘッドホンなどを使って確認します。スピーカーやヘッドホンで収録した声を確認して編集作業をしたり、ノイズ除去などの作業をするのでモニター環境が悪いとノイズが聞こえなくて作業できない可能性があるので大事な機器の一つです。
ナレーションだけを録音するなら、録音中にヘッドホンはなくても良いと思いますが、曲や音楽など映像がある場合は、タイミングを合わせるためにヘッドホンなどが必要になってきます。そのようなときに使うヘッドホンは、音漏れしにくい密閉型タイプのヘッドホンを使うといいでしょう。
そして、スピーカーやヘッドホンを選ぶときは、モニタースピーカーやモニターヘッドホンといわれる物を選びましょう。モニタースピーカーやモニターヘッドホンは、音楽などを心地よく聞くためのものでなく、音質やノイズなどをチェックするために作られたものです。音楽などを心地よく聞きたいときは、リスニング用のスピーカーやヘッドホンを使うと良いでしょう。
また、編集した後は聞いてくれるユーザーがどのように聞こえるかチェックするために、ユーザーが使うと思う環境でチェックすることも大事です。例えば、スマホでやイヤホンで聞くだろうと思われるときは、手持ちのスマホやイヤホンで確認すると思った通りの音でユーザーに聞いてもらえるか確認できます。
ノイズ対策
録音するとわかりますが、マイクは日ごろ気にならない音も収録していまいます。それは、声が部屋で反響した音だったり、口の中のツバの音、身につけているアクセサリーなど録音した環境の音です。
基本的には、声を録音するなら声以外の音はノイズと思っていいでしょう。エアコンの音や屋外の車やバイクなどの音、ペットの鳴き声などの生活音など、声以外はノイズです。
そんなノイズを録音した後に除去するのは大変です。ですから、最初からノイズが少ない時間帯や環境を作って録音するようにしましょう。
ノイズ除去ソフトで除去できるから、ノイズがあっても大丈夫という考えなく、最初からノイズが少ない環境で録音すると編集作業が早く終わりますし、ノイズが除去できなくて、とり直ししたりする必要がありません。
録音するうえで、録音する環境は一番大事な要素です。良い機材を買うより前に録音環境を整えるが重要です。
録音の流れ
自宅で録音するということは、基本的に一人で全てやるということなので、準備から録音作業、ナレーションや録音後の編集作業まで全てをすることになります。
そして、ナレーション以外のエンジニア的な作業をすることで、演者としての立場以外にエンジニアの立場としても経験できるので、自分のナレーションや歌うスキルやレベルアップをするには、最高だと思います。頑張ってレベルアップしていきましょう。
パソコンの準備
パソコンは電源が切れた状態から立ち上がるとき、いろいろなソフトが起動したりOSのアップーデートの確認など使えるようになるまでに時間がかかります。なので、動作が安定するまで起動させたら待ってから、録音を始めましょう。
機器の準備
パソコンを立ち上げたら、パソコンの動作が安定するまでの間にマイクなどの機器の準備をすると効率よく時間が使えます。機器の接続が終わったら、DAWを立ち上げて音声がパソコンにきているか確認しましょう。
マイクに話しかけてDAWのレベルが動いていれば、機器の準備は完了です。
ナレーションや歌の収録
原稿や歌詞のチェックは事前にしておきます。読み方やイントネーション、アクセントなど苦手なところや気になるところも前もってチェックしておきます。そして、声を事前にだしてベストな状態で短時間で録音することを心がけます。
なぜ、短時間がいいというと何度も同じところを録音しても結果的に、良いものがとれないことが多いからです。勢いで録音するわけじゃありませんが、何度かトライして録音できないときは、事前の確認や練習が足りなかったのが原因だということが多いです。
事前のチェックや練習は十分にやってから、録音するようにしましょう。そして、収録中にノイズに気づいたら、できるだけとり直しすること、おすすめします。後日とり直しすると最初から準備をして録音すると手間なので、きづいたら、すぐにとり直ししましょう。
音声編集
録音の音声編集は何をするのかというと、
- 不要な部分のカット
- 言葉と言葉の間の時間を調整
- ボリュームの調整
- ノイズの除去
- 声を明瞭に聞こえるように音質の調整(補正する感じのレベル)
が基本的な編集作業になります。不要な部分のカットや音質調整はDAWでできますが、ノイズ除去は専用のソフトを使うのが早くてプロも使っているので、導入するのをおすすめします。
ボリュームの調整は、まず音が大きすぎて割れてない状態であることが前提です。音が割れているなら録音のやり直しをします。マイクのGAINを下げるが、マイクと口の距離を調整して音割れしない状態で録音しましょう。また、音が小さすぎるものNGです。DAWのレベルメーターの半分くらいで動くのところを目安に録音すると良いでしょう。
まとめ
録音したことない人は、録音するためにいろいろと準備や機器が必要だとわかったと思います。しかし、機器だけでなく録音する環境も重要です。
録音すると、出ている声と出したい声の差を確認できて、自己満足のレベルからユーザーが聞くことを考えられるレベルになります。これは、すごいレベルアップです。そんな練習を自宅で何度でもできるのは最高な環境です。何度でも練習して録音して確認してレベルアップしていきましょう。
そうすれば、高単価な仕事をできるスキルができるので、頑張っていきましょう。